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文字禍

By: 中島 敦
Narrated by: テルヤン
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Publisher's summary

文字の精霊を通して描かれる文字と言葉の恐ろしさ

中島敦のデビュー作の一つ。
『山月記』ほか二作品と共に「古譚」として数えられる短編小説。

舞台はアッシリア王国。
王に「文字の精霊」について研究するよう命じられた老博士・ナブ・アヘ・エリバは、
研究が進むにつれ文字の精霊が人を操り禍(わざわい)をもたらしていることがわかってくる。
このことを報告するも、王の怒りを買い博士は謹慎処分となってしまう。
博士はこの状況を文字の精霊の復讐と考え、その恐ろしさを痛感するが、これで終わりではなかった――。

中島敦(なかじま・あつし)
昭和時代前期の小説家。1909年東京生れ。東大国文科卒。
祖父は漢学者中島撫山、伯父にも漢学者が多く、父は中学の漢文教師。
1933年横浜高等女学校の教師となり、かたわら作家を志して習作にはげんだ。
持病の喘息悪化のため、転地療養を兼ねて41年パラオの南洋庁に赴任する。
唐代の伝奇「人虎伝」を素材にした「山月記」が深田久弥の推挽で42年2月の「文学界」に掲載され文壇にデビュー。同年5月発表の《光と風と夢》も好評で以後創作に専念。
パラオ南洋庁書記の職を辞して作家生活に入ろうとしたが、同年12月持病の喘息のために夭折した。代表作に「李陵(りりょう)」「弟子」「光と風と夢」など。
©2022 PanRolling
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