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麻酔剤

By: モーリス・ルヴェル
Narrated by: 景浦 大輔
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Publisher's summary

病院の助手として恋人を麻酔にかけ、手術を行うことになった。急な重病から恋人を救わなければならない責任と、
彼女を破滅させる秘密をうわごとに聞くという二重の苦悶に頭が混乱する。秋の夜のスリリングな回顧話。

老ドクトルはかつて自分の恋人を麻酔にかけたときの昔話をし始める。「恋人なんかの手にかかるもんじゃありません」――。
老ドクトルが病院の助手のとき、ある婦人と知られてはいけない熱烈な恋をしていた。ある日恋人の夫から頼まれ、彼女の手術をすることに。
麻酔のかかりかけに、うわごとで彼女は危なっかしい言葉を口走る。彼女の夫も周りの医師も聞いている前で……。秘密がばれる恐ろしさから、麻酔剤の量はだんだんと増えていく。


モーリス・ルヴェルはフランスの作家。「フランスのポー」と言われ、恐怖や悲哀を主題とした残酷物語の短編を多く残しています。
日本においても新青年等に翻訳紹介され、探偵小説の読者を熱狂させたほか、江戸川乱歩、夢野久作、小酒井不木などに絶賛されました。
乱歩は「淋しさ、悲しさ、怖さがルヴェルの短編の随所に漂っている」と言い、久作は「探偵小説で一番好きなのはルヴェルとポーだ」と言っています。
またラヴクラフトは自身のエッセイの中でルヴェルを絶賛し、アメリカと日本でのルヴェルの認知に多く貢献しました。
現在新たな翻訳が出版され、母国フランスや日本においてルヴェルの評価が再認識されています。
©2022 PanRolling
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