• #49 経営企画と戦争広告代理店
    Jul 4 2025

    ◆戦争広告代理店から学ぶ情報戦略◆

    1990年代のボスニア紛争において、ボスニアはPR会社を活用し、国際社会の関心を引きました。コネクションを最大限に活用し、メディア関係者へ積極的に情報提供を行ったほか、無視できない状況を作り出す工夫も凝らしました。また、首相が分かりやすい言葉で話すよう指導し、記事化しやすいプレスキットを用意するなど、情報の拡散・再生産を意識した戦略が成功の鍵でした。

    ◆感情に訴えかけるメッセージング◆

    合理性よりも感情に訴えかける重要性も示唆されました。具体的な被害状況を写真で伝えたり、アメリカ人の関心の高い環境問題と結びつけて訴えたりすることで、効果的に世論を味方につけました。言葉選びにもこだわり、「民族浄化」といった強い言葉を用いることで、聞き手の心に深く響く発信をしました。

    ◆経営企画への応用とリソース獲得◆

    これらの情報戦略は、経営企画におけるリソース獲得にも応用可能です。社内キーパーソンとの関係構築や、プロジェクトへの関心を高めるためのPR活動が重要です。スライド作成も、自身のコミットメントを示す手段として有効であり、情報が独り歩きして再生産される構造を作り出すことを目指します。社内政治とも言えるリソース獲得競争ですが、本当にやるべきと信じるプロジェクトであれば、積極的に関与すべきだと締めくくっています。


    ◆Personality:きりん

    外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。

    ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。


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    14 mins
  • #48 企業セミナー参加の心得とその裏技
    Jun 27 2025

    ◆セミナー懇親会での効果的な立ち回り方◆

    セミナー後の懇親会では、多くの参加者が登壇者に集中し、名刺交換の列ができます。しかし、登壇者との会話は時間が限られ、深い話は難しく、印象に残りにくいのが現状です。一方、会場スタッフとの交流は待ち時間がなく、時間をかけて具体的な話ができるため、有益な情報を得やすいでしょう。

    ◆スタッフ交流のメリットと留意点◆

    会場スタッフは実務に携わっているケースが多く、現場の具体的な話や詳細な情報を引き出しやすい利点があります。また、スタッフは「与える側」として接してくれるため、質問にも快く答えてくれます。さらに、スタッフを介して目的の人物に繋がる可能性もあります。ただし、スタッフの業務を妨げないよう、状況を判断して話しかける配慮が必要です。


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  • #47 経営企画でどう尖るか?
    Jun 20 2025

    ◆中堅企業における経営企画の立ち回り◆
    中堅企業規模になると、経営企画はチームでの価値発揮が求められ、業務もゼロイチより既存業務の強化や自動化が中心となる。顔の見えない関係者や複雑化するデータ環境の中で、自らの役割を明確にし、ルーティンに埋もれず新しい課題に挑む余力を持つことが重要となる。

    ◆専門性とキャラクターの確立◆
    事業計画、業績予測、業務改善、DX導入、資金調達など多様な役割の中から、自身の得意分野を明確にし「この領域なら自分」と言えるキャラクターを形成することがカギとなる。実務に根差した貢献が期待され、単なる分析や資料作成にとどまらず、明日からの行動に結びつく成果が重視される。

    ◆経営企画の進化と火消し型の可能性◆
    経営企画には、問題解決型の“火消し”として機能するケースもあり、部署横断的にあらゆる課題に対応できる強さが問われる。キャリアの一貫性よりも現場での実行力が評価される場合もあり、多様なスキルを活かせる場面が広がっている。


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  • #46 PMIと植民地支配モデル
    Jun 13 2025

    ◆子会社視点で語るPMIの実態◆
    子会社側の立場からPMI(Post Merger Integration)を経験した具体例として、文化の押し付け(顔出し強制)、決裁権限の統制、会計ソフトの統一、現場実態を理解しない外部人材の派遣などが挙げられた。これらは現場にとってストレスとなり、支援よりも負担が増える結果になっていた。また形式的なガバナンス強化や報告業務が現場の実効性を損ねる状況も指摘された。

    ◆歴史に学ぶ2つのPMIモデル◆
    PMIを「同化政策型」と「多民族共生型」に例え、前者は文化から制度まで親会社が全面的に支配し、自ら手足を動かして成果を出すモデル、後者は価値観や文化は尊重しつつ、要点だけ統合する割り切り型と整理。どちらにもメリットはあるが、中途半端に混在させることが最も失敗を招きやすいと指摘。PMI成功には“深くやるなら徹底的に、浅くやるなら割り切り”という明確な戦略が必要だと述べた。


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  • #45 PMIとテセウスの舟
    Jun 6 2025

    ◆PMIにおける「同一性」と「変化」◆
    買収後のPMI(Post Merger Integration)では、ルールやガバナンスを導入するだけではなく、対象企業の文化やコア価値を尊重する姿勢が重要になる。哲学的な「同一性」の問いを参照し、企業文化もまた変化しながら連続性を保てると考えるべきだと説く。テセウスの船や鰻屋のタレの例を用い、同一性は「許し」と「約束」によって維持されるという見解を紹介した。

    ◆変わる部分と守るべきコアの線引き◆
    PMI成功の鍵は、相手企業が大切にしてきた価値観や仕事観を肌感覚で理解し、守るべきコアと変えるべき周辺領域を明確に伝えることにある。コアに対する敬意を示しながら、変化を伴う統合を進めることで、不安や反発を最小限に抑え、協働を促す土台を築くことができると述べた。


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  • #44 中小ベンチャーでの立ち回り
    May 30 2025

    ◆中小ベンチャーでの経営企画のリアル◆
    中小ベンチャーでは経営企画という役割が明確に定義されておらず、戦略よりも現場の「Do」に関わる実務が重視される。ガバナンスや管理体制が未整備なことが多く、まずは経理体制の整備やフロー構築、実績管理の早期化が求められる。請求や経費処理の遅れ、無駄なコストやモラルの低下などの課題に対し、問題解決部的な姿勢で臨むことが重要となる。

    ◆肩書きより姿勢、管理より価値創出◆
    肩書きにとらわれず「何でもやる」スタンスで信頼を築くことが第一歩。最低限のガバナンス構築の後は、管理の人間で終わらず、事業面への貢献も示すべき。営業同行やKPI設計など、売上・利益向上への関与を通じて企業価値を高める動きが必要であり、経営企画としての価値はそこにこそある。


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  • #43 権威に負けないためのミルグラム実験
    May 23 2025

    ◆エージェントとしての危うさ◆

    ミルグラム実験を紹介しながら、「上からの命令」に従うだけの姿勢が人間をいかに容易に非人道的な行動へと導くかを解説。命令に服従し、自らの意思を手放すと、善良な人でも異常な行動を取ってしまう。これは経営企画の仕事にも通じる深い問題である。

    ◆経営企画に求められる主体性◆

    経営企画が本社の意向をそのまま子会社や現場に押し付けていないか、自問する必要がある。現場に適さない施策であれば、情報を持つ当事者として調整・翻訳し直すことが求められる。単なる命令の伝達者=エージェントではなく、意思を持った橋渡し役となるべきである。

    ◆「言われた通りにやる」からの脱却◆

    マニュアル通りにしか対応しない店員のように、無批判な姿勢は信頼を失う。現場と本社の意見を受け止め、双方の納得解を模索することが経営企画の本質。エージェントではなく、状況に応じて考え、行動する個としての在り方が重要である。


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  • #42 スライドを書かなくなった話
    May 16 2025

    ◆スライドをやめた理由◆
    資料作成はスライドではなくWordベースを基本とする。装飾や図解に時間をかけるより、本質的な情報を正確に伝えることが重要。スライドによる「仕事をしている感」に流されず、丁寧な文章で構成された報告こそが、伝える力を最大化する。

    ◆「伝える」とは何かを見直す◆
    資料は手段であり目的ではない。相手に内容が届いていれば、スライドである必要はない。ビジネスも家庭も同じで、言葉で伝わることは言葉で伝えるべき。報告だからスライドが要る、という思い込みは捨て、最適な手段を選ぶ視点が求められる。

    ◆相手の特性に合わせる伝達術◆
    視覚優位か聴覚優位かで伝え方を変える。文章で理解できる相手には文書を、会話を重視する相手には言葉で熱量を示す。目を見て話すだけで伝わる場面もある。資料の形式にとらわれず、相手の受け取り方に最も適した方法を選ぶことが効果を生む。


    ◆Personality:きりん

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